第921回経営者モーニングセミナーは!昨日に引き続き、中西名誉研究員のご講話でした。
他の動物と人間との最も大きな成長過程の違いは、人はたくさんの「人の手」を煩わせないと生きてゆけないこと。そして、出会った人に導かれて、自分の人生は作られていく。
わたしは今の自分に至るまでに、どれだけ多くの人の手を煩わせてきたのかを考えていました。幼き日の両親、学校の先生、友人、職場の先輩、同僚。
何百人もの人に助けられて、なんとかここまでやってきたというのに、殆どの方の顔と名前を忘れてしまっていることに気付きました。なんという薄情者でしょうか。
最近、「恩送り」という言葉をよく聞きます。自分が受けた恩を、頂いた方にはもう返せないから、次のどなたかに代わりに受け取って頂くという考え方です。
わたしは返しきれないほどの恩を、誰にお返しすれば良いのか。返すことが出来るほどの人間力を得ているのか。自問自答すれば厳しい答えになります。
ただうすぼんやりと日々を過ごして、敵も味方もない安全地帯でへらへらと笑っているような人間に成長はありません。
聖書にこんな言葉がありました。ヨハネの黙示録、3章15節からです。
わたしは、あなたの行いを知っている。あなたは、冷たくもなく、熱くもない。わたしはむしろ、あなたが冷たいか、熱いかであってほしい。このように、あなたはなまぬるく、熱くも冷たくもないので、わたしの口からあなたを吐き出そう。あなたは、自分は富んでいる、豊かになった、乏しいものは何もないと言って、実は自分がみじめで、哀れで、貧しくて、盲目で、裸のものであることを知らない。
今日の講話を聴いていて、この神の言葉にはっきりとつながりを感じました。
倫理の学びでは、否定語は使わず肯定的な受け止めが推奨されるのですが、心にもない耳障りの良い言葉だけを並べても何の意味もないことを教えていただきました。
わたしの人生の目標は「内外一致」であり、その内にあるものは理想に燃える熱でありたい。そして今、そんな風に生きようとされている人たち「倫友」と同じ思いで学べることが本当に嬉しいです。
反始慎終。
何百人の育ての親への報恩の思い、少しづつでも返してゆく一日を過ごしたいと思います。