今日は小児科でした。夏の疲れか学校に行けない、全身倦怠感のある子が増えています。熱の出る風邪は流行っていますが、コロナ陽性者は激減です。
学校が詰まらないと感じてる子が多すぎる、こんな環境間違ってる、日本の未来が心配。と、院長がつぶやいておられました。
幼児教育は自由にのびのびと個性を活かして才能を発掘することを謳いますが、学校教育は淡々と平凡に一斉になべて教えるやり方を踏襲しています。
それは当然小1プロブレムを引き起こすだろうし、中学年以上になれば塾通いも始まって、そこではゲーム感覚で楽しめるような受験用の授業をやってくれると、ますます学校は詰まらなく感じるでしょう。
わたしは息子をシュタイナー学校に入れたいと結構本気で思っていた時期があって、であいの会にも夫と一緒に何度も出向きました。結局ご縁はなかったのですが、今になって実際にその教育を受けた複数のママたちと親しく話す機会があり、この国で望んだ教育に出会うことの困難に思いを馳せました。
学校が詰まらないのは、学校のせいでしょうか。そこに望んだ教育が無いと感じる親側の感じ方に、子どもたちは影響を受けていないでしょうか。
京セラの稲盛会長の訃報が昨日からネットの記事の上位にあり、彼の人生の軌跡を簡単に紹介してくれている記事をいくつか読みました。
わたしの住居の向かいに「松風」という歯科材料の会社があります。京セラを立ち上げる前の稲盛さんが松風の従業員であったことを初めて知りました。
「松風」は、毎朝8:30から職員さんでラジオ体操をされていて、周辺は清潔できちんとしています。現在の松風は、見るからに優良企業です。ところが若き日の稲盛さんが入職した松風は、すぐにでも辞めたいような悪待遇であったそうなのです。
そこで鬱になったり自暴自棄になったりするのが凡人。稲盛さんは、ネガティブ思考を振り払って、「自分は素晴らしい会社で、素晴らしい仕事をしている!」と自己暗示をかけることが出来ました。
そこからの稲盛さんのサクセスストーリーは言うまでもありません。稲盛さんは次のように語られたそうです。
「いまの若い人たちの中に、自分が望んでいる道を選ぶことができなかった人がいたとしても、いまある目の前の仕事に脇目も振らず、全身全霊を懸けることによって、必ずや新しい世界が展開していくことを理解してほしいですね。ですから、不平不満を漏らさず、いま自分がやらなければならない仕事に一所懸命打ち込んでいただきたい。それが人生を輝かしいものにしていく唯一の方法と言っても過言ではありません」
公立小学校の授業になんの落ち度があるはずもなく、受け取る力、打ち込む力が育っていないのです。
稲盛さんと凡人の大きな違いは、彼が利他の精神をもっておられたことでしょう。そして遠い未来を見通して、成長の目標を見定めることが出来たこと。
自分だけが勝てば良い、今さえ良ければ良い、もし親がそんな価値観を持っていたら、小さな子どもたちは見事にそれをトレースして自分の価値観にしてしまいます。
目の前の仕事に、喜びをもって粛々と向き合う親の姿を見て育つ子どもであれば、学校での諸々の面倒な課題にも、不平を言わずに向き合って、さらに大きな力を得ることが出来るように思います。
未来を憂うのではなく、現実世界の大人たちが今をどう生きているのか。そこをしっかりとやっていきたいです。子どもたちはその背中をみて、良いことも悪いことも模範にしてしまうから。
子女名優。
自分はもういなくなっている100年後の日本のために。
小児科医として、院長先生に出来ることはいっぱいありますよ!わたしも一緒にがんばります(*´∀`*)