今年の6月に、「こども家庭庁設置法案」と「こども基本法」が成立したことをご存知でしょうか。
母子保健関係者としては、今後の我が国の子ども支援にどんな変化があるのか興味津々です。
子どもの権利を守る、という大切な概念がありますが、これがまた政治家それぞれにより大きな考え方の相違が対立を生み、法案はなかなかまとまらなかったと聞きます。
左派の教師や弁護士が考える子どもの権利と、伝統的な家庭観をもとに考える子どもが幸せに生きる権利。随分違ってるのは明白で、すり合わせには時間がかかったことでしょう。
子育てに伴う喜びを実感できる社会の実現に資するため、就労、結婚、妊娠、出産、育児等の各段階に応じて行われる支援
法律案中のこの文言を知って、心がぱあっと明るくなりました。子育てに伴う喜び、これが本当にないがしろにされていることを憂いていました。
ただ可愛いと思うだけでいいのに、親たちは忙しすぎてゆっくり子どもと目を合わせるヒマもありません。
生理現象である妊娠出産も、不安と恐怖から逃れるために医療介入の滝に自ら飛び込んでゆく。
心配の霧は毒ガスのように明朗な心を蝕んでゆきます。
今日は午前中、バースレビューを伺いました。無事に赤ちゃんが生まれたことに感謝して、すべてを受け入れたつもりだった。でも、自分が尊重されなかった様々な場面が深い傷になって残っている。
彼女の慟哭は、かつてのわたしが気付かずに送り出していた、沢山の病院出産のママたちの思いに相違なく、心から申し訳ない思いに身をつまされました。
それでいいと思い込んでいた自分の傲慢が今はよくわかります。
午後は6組のパパ&妊娠中のママと一緒に、お産の経過や腰痛緩和のマッサージ、沐浴実習、妊婦体験の講座を担当しました。
どうか皆さんが、自らの意思を尊ばれ、何よりもママと赤ちゃんが健康で安心できる出産を体験できますように。子育てを楽しみ、喜びを実感できますように。
沢山のお金があれば、人を雇ったりモノを買ったりできますから、子育てが楽になると考える人は多いです。確かにそれは事実ですが…
ママと赤ちゃん、二人を丸ごと包むパパの愛があれば、とてもリーズナブルに幸せが手に入るタイミングでもあります。
心配の毒ガスに心が侵されたら、産後うつ(パパも罹患します)や産後クライシスが確実に起こります。
今、家族の未来に希望を持って学びの場に来られた若い両親が、その心を曇らせることがないように、わたしたちの仕事があります。
明朗愛和!
こども家庭庁がどんな働きをするのか、子どもの成長に最も強く影響する親たちが明朗であり続けるためのアプローチをどう扱うのか。
令和5年4月1日の施行日が、ものすごく楽しみです。