今朝、初めて夜勤で組んだ方が保育や福祉に関わる仕事をしている方で、結構深いテーマで話が出来ました。
産後ケアホテルの記事を以前書きましたが、ケアの提供については思考錯誤をしています。何より、休みたい一心で来られる方にとっては、赤ちゃん預かり付きホテルのような印象を持っておられるかも知れません。
それでも、生まれてすぐの赤ちゃんにとって、ママがいない空間で他の誰かにお世話を受ける時間は極力少ない方が良いのは周知の事実です。そして、お世話の能力とは相手を受容する心の状態でもあり、これは向き合って悩むことで手に入るものです。
今、わたしたちの産後ケアホテルでは、基本的にはお部屋に赤ちゃんがいることをルールにしています。赤ちゃんと過ごす時間を中心に、産後のママの疲労回復を、環境や食事や心身のケアを提供することで促し、不安の解消を図ります。
この方法だと、ママの親力が急成長して、赤ちゃんの泣き声も受容できるようになり、結果として母乳の分泌、身体の回復のスピードが上がることを実感しています。
家事も仕事も育児もワンオペの女性が、心身疲労することで、最も大切な自分の赤ちゃんを愛する気持ちが損なわれてしまう。それを防ぎたくて、産後ケアがもっと我が国のスタンダードになれば良いと思っています。
ママがいい!と子どもに泣かれたこと、パパたちは経験されていることと思います(^^; 毎日一緒に生活していても、子どもたちはママが大好きです。
それでも、一億総活躍社会というスローガンのもと、フルタイムで働く女性は増えていて、保育園で12時間過ごす子どもは少なくありません。病気になると通常の園には登園出来ないから、病児保育室も増え続けています。
ちょっと立ち止まって考えてみたいのです。
子どもは社会が育てる、という考えに広義に解釈すれば同意するのですが、1人の子どもには保護者という親が存在していて、その親が親として成長するためには子どもと過ごす充分な時間が必要です。
幼子の、親に向かう愛と信頼が、いつしか反発と憎悪に変わってゆくのはお互いの理解不足のためです。子どもの本当の気持ちを知るためには、ものすごく時間がかかるので、親が忙しすぎる状況が恒常的になることは危険なのです。
親は自分のルーツ、親を憎悪するということは、潜在的には自分自身を否定していることになるような気がします。
ご先祖様に手を合わせる気持ち、食事への感謝、ものを大切にすること、このような日常を模範となって教えてくれる立場にある親が、自分を見失うほど多忙であることは子どもにとって悲劇ですし、それが今の日本の窮状を招いているのだと感じます。
かくいうわたしも、子ども時代の両親はものすごく忙しい人たちで、話しかけるのも気を使うほどでした。というか、話しかけても全然聞いてもらえない(^^;
同居の祖母が、親役割を果たしてくれたことに感謝しています。それでも、わたしは両親への愛と信頼を失っていく過程で、自己否定に陥っていったのです。
赤ちゃんが生まれたら、赤ちゃんのお世話以外の何もしなくていい3か月を過ごして欲しいです。仕事に戻られても、保育園に11時間以上も預けなければならないようなスタイルの仕事は、親も子どもも、ともに成長を損なう状態をうむと考えます。
国は子育てをする親へのサポートに、もっと思い切った予算をつけて欲しい。何万円のレベルじゃなくて、100万、1000万の単位の経済支援があれば、親の心にゆとりが生まれるのにと思います。
笑顔が溢れる、幸せな空気に満ちた家庭で育つ子どもたちは、どんな大人に育ち、どんな社会を作ってくれるだろう。
子女名優。
親が変われば、子どもも自然に変わっていく。遥かな高みではありますが、愛情に満ちた思慮深い親を目指して、修行の日々です!