ヒプノセラピーとは
いわゆる代替療法としての催眠療法は、不安症や強迫性障害の治療に役立つものですが、この「催眠」は最も歴史ある心理療法です。
古代インドやエジプトでは「眠りの寺院」があり、ヨーロッパにおける「ロイヤルタッチ」では偉大なる王が触れると癒しが起こるという信仰がありました。
18世紀にはフランツ・アントン・メスメルによるメスメリズムが生まれました。
高い効果が認められ社会現象となったため、フランス政府は化学者アントワーヌ・ラヴォアジエやベンジャミン・フランクリンを委員とする調査委員会を設置しましたが、この時代では暗示による癒しにエビデンスを出すことは出来ず、古代からの迷信や黒魔術の類であると結論を出しました。
その後、表舞台から一時メスメリズムは姿を消していましたが、ジェームズ・ブレイドによって再度研究が為され、そこで起こっている事象を説明するのに「催眠(ヒプノーシス)」という言葉が採用されました。
ブレイドの大きな業績は以下の二点を明確にしたことです。
①催眠はオカルトではなく科学的に説明できること
②催眠の効果は被験者本人とのdo withプロセスである
(セラピストの影響は補助的)
その後、催眠による麻酔効果を使ってインドでの外科手術の死亡率を激減させたジェームズ・エスデールの業績に続き、催眠と暗示のシステムの研究が発展してゆき、フランスの医師であるリエボーとベルネームによってナンシー催眠スクールが設立されました。
若き日のジークムント・フロイトやエミール・クーエもここで催眠を学び、彼らの精神分析や自己暗示の理論に繋がっています。
また、心理学の父、ウィリアム・ジェームスが 最初の著書「心理学原則」において催眠に言及しています。
その後世界大戦の時代にはペインコントロールの手段として軍事研究され、1958年には米国医学会が療法としての催眠を承認しました。
ここでようやく、催眠が科学として受け入れられる土壌が出来、イメージトレーニングやリラクゼーション療法、誘導瞑想など多くの形で、ヒプノセラピーは私たちに親しみ深いものとなっていったのです。
ヒプノセラピー各コースの内容
A 自己暗示コース
暗示とは、新しい考え方や習慣や行動を潜在意識に対してインストールする為に行われる、言語、あるいは、非言語による働きかけのことを言います。
潜在意識は顕在意識と違って、批判機構がありません。
なので、暗示を素直に受け取ってくれるという性質があります。
特に繰り返し与えると、それがどんどん定着していきます。
この性質を利用したのが「暗示」であり、暗示療法です。
このコースでは、あなたがゴールに向かうための暗示(こころがゴールに向かうことができる・モチベーションを増幅させ行動を起こさせる)をカウンセリングによって作成し、暗示を受ける体験をします。
その後、お渡ししたスクリプトを使って、繰り返し自宅でセラピーを継続していただくことが出来ます。
B 退行催眠コース
退行催眠とは催眠トランスにおいて過去の記憶やイメージに戻る催眠手法のことを言います。その一つが幼い頃の記憶や体験のイメージに退行するものであり、もう一つは前世の記憶やイメージに退行するものです。今世の記憶や体験イメージに退行する方法を「年齢退行」と言います。そして、前世の記憶や体験のイメージに退行するものを「前世療法」や「過去世退行」と言います。またお母さんのお腹に中にいた頃の記憶や体験イメージに退行するものは「胎児期退行」などと呼ばれています。
幼い頃の体験の中にプログラムされている、根深い不必要なエネルギーを解放してから、あたらしい暗示を与えようという発想から来たのが、年齢退行です。
退行テクニックを使うことで、抑圧されていた否定的な感情や制限を効率的に開放して、暗示をより効果的に潜在意識にインストールさせることができ、結果として早く、そして、効果的なセッションと大きな肯定的な変化を提供することができます。
年齢退行で行うことは、大きく二つです。
①問題の根っこになっている、幼い頃の記憶、あるいはイメージに絡みついた否定的な感情を催眠状態において「正確に掘り起こす」。
②引き出した記憶やイメージに対する認識をポジティブなものにして「問題の根源を癒す」。
年齢退行には真正退行と疑似退行があります。
真正退行を起こすためには深いレベル(アーロン深度スケール5~6)の催眠に入る必要があります。
思い出した出来事がその時、そこで起こっているかのように、一体化した状態で現在形で感じます。
疑似退行では、深度レベル第2段階があれば入れます。
一体化はせず分離しているので、思い出したことに対して通常はほどんど感情が伴いません。
トラウマの原因となる幼い頃の記憶のシーンが何歳のころの出来事なのか?そこで何が起こっているのか?を思い出して、
どういう体験が否定的な感情の原因になっているのかを分析していきます。
問題の根源となる幼い頃の出来事を正確に掘り起こした後、そこにインストールされている否定的な感情を解放して、新しい学びをインストールします。
最も深い根源をたどると、ほとんどの場合「親」と向き合うことになります。
「私の不幸の原因のすべてはこの人にある」と怒りを向けるのか、あるいは「当時相手が置かれていた立場を理解」して許すのか。
その辛い体験を「人生が上手く行かなかった理由」にして、悪いことは何でも人のせい、というポジションに留まるのか、「この体験から何を学べば私の人生は幸せになるのか」という、主体性が持てるポジションにシフトするのか。
これらの選択で、セラピーが到達する場所はまったく変わります。
記憶の積み重ねが今のあなたの性格を形成しています。
あなたの潜在意識の中にある記憶は肯定的なものも、否定的なものも、あなた特有のものであり、他者にゆがめられるべきものではありません。
このセラピーでは、あなた自身が否定的な感情を手放し、より肯定的な自己を受け入れる意識が必要です。
その点について、事前のインテークとカウンセリングを丁寧に行います。
C グリーフセラピーコース
グリーフセラピーコースは、死別や離別などによって直接コミュニケーションが取れなくなった存在(大切な家族、ペットやお腹にいた赤ちゃんを含む)と、催眠下で再会し、お互いの思いを伝えあい理解することで、傷ついたご自身を癒しに導くコースです。お写真、その方との思い出の品があればご持参ください。
料金について
セラピーの目的 | セッション料金 |
---|---|
A 自己暗示コース(90分) | 11,000円[税込] 申込はこちらから |
B 退行催眠コース初回(3時間) | 22,000円[税込] 申込はこちらから |
C グリーフセラピーコース初回(3時間) | 22,000円[税込] 申込はこちらから |
B・C 二度目以降(2時間):前回より三か月以内 | 16,500円[税込] 申込はこちらから |
※B・Cでは初回セッションの前に、メールもしくは電話にて事前面接(無料)を行い、セラピーへのご要望を伺います。
※Aの自己暗示セッションは、カウンセリングによってご自身の欲求を明確にし、ご自宅での自己暗示に使えるアファメーションを作成します。