出産の時の呼吸法って?
普段の呼吸法とは違うの?
結論から言うと、出産時の呼吸法は「息を吐く」ことを意識することが大切です。

そんな私がいつもアドバイスするのは「吸う息の2倍の長さで吐きましょう」ということ。
では、なぜ吐くことが大切なのか?
どんな呼吸法があるのか?
練習方法は?(いきみ逃しは?)
そして、出産を控えるあなたには、呼吸法の他にも覚えてもらいたいことがあります。

ぜひ、参考にしてください。
出産時の呼吸法・有名なのは2つ
まず、出産時の呼吸法には有名なものが2つあります。
・ラマーズ法
・ソフロロジー法

ラマーズ法
ラマーズ法とは、1950年頃にフランスのラマーズ博士によって提唱された呼吸法です。
お産の進みに合わせて、呼吸法と弛緩法、補助動作を組み合わせますが、有名なのは「ヒッヒッフー」。

ソフロロジー法
ソフロロジー法とは、1960年代・スペインで創案された、精神を安定させるための考え方を元に、その後お産へ応用された呼吸法です。
そのほかの呼吸法
ほかにも、出産時の呼吸法としては、
・気功の概念を取り入れた「リーブ法」
・自己催眠やリラクゼーションなどを用いる「ヒプノバース」
などもあります。
いくつも呼吸法がありますが、基本は冒頭でも述べた通り、息を吐くことを意識しましょう。
では、なぜ吐くことが大切なのでしょうか?
出産時の呼吸法の目的
なぜ、出産時の呼吸が大切なのか。
吸う息を意識すると過呼吸になって不穏状態になってしまいます。
なので、吐く息に集中して吸う方には意識を向けないようにする、ということ。
分娩中には、たくさんの酸素が必要です。
理由は、
・子宮の筋肉を正常に働かせるため
・ぎゅうぎゅう押されている赤ちゃんのため

腹式呼吸で緊張を解くという効果もあります。
酸素不足になると、お産が進まなくなり赤ちゃんが苦しくなる、ということもあります。
そんな理由で「呼吸法」があるのです。
出産時の呼吸法
陣痛が始まって、いきむまで。

陣痛が始まったら
楽な姿勢をとり、自分のペースでゆっくり深呼吸しましょう。
鼻から吸って、口からゆっくり吐きます。

いきみ逃し
赤ちゃんの頭が下がってくると、お通じを出したい感じになります。
この時にいきんでしまうと赤ちゃんが苦しくなってしまうこともあります。
なので、口から息を吐き切ったら軽くお尻の穴を閉じて力を抜きましょう。

いきみ方
子宮の出口が開き、赤ちゃんが出てきます。
いきみを上手にすることで、腹圧が加わり、赤ちゃんを産道に推し進めます。
助産師の指示に従って、いきんでください。

出産前から呼吸法を練習しておきましょう
お産の時は、助産師がサポートしてくれるので(息を吸う・吐くタイミングなど)、そういう意味では必ず練習が必要、というわけではありません。
しかし、妊娠中に実際のお産をイメージしながら呼吸法の練習をしたり、準備しておくことは大切です。
なぜなら、そうした準備が帝王切開などの医療介入を減らす効果も期待できるからです。

帝王切開の急増と呼吸法の練習には関連がある?
呼吸法の練習といった、出産前の準備。
とても大切なことですが、近年の産婦人科・産院は多忙のため、呼吸法を教えないところが増えてきています。
こうした「出産前の準備不足」は、帝王切開の急増と関連している可能性もあります。
帝王切開だけでなく、麻酔を使うことや陣痛促進剤の注射などの医療介入は、出産前の準備不足が影響している、という側面もあると思うのです。

出産の準備不足が医療介入を増やす?
出産の医療介入については、また別の記事でも書こうと思いますが、産婦人科・産院の業務は多忙のため、呼吸法を教えたり、出産の準備のサポートが手薄になりがちです(全ての施設がそうとは言えませんが)。
すると、本来あるべき出産、自分で産む力を信じる、といったことが失われていく、といった懸念があるのです。

本来あるべき出産、自分で産む力とは
私たち人類の数百万年にもなる歴史の中で、医療が入ってきたのは100年か、せいぜい200年くらいです。
医療のない大昔でも、多くの女性は安全に健康な赤ちゃんを産み、育ててきたのです。
本来、私たちが持っている「自分で産む力」があれば、医療介入を減らすことは可能なはずだと思いませんか?

呼吸法だけでは足りない?出産前の準備
呼吸法の練習をするのも、出産前の準備として良いでしょう。
加えて、
・瞑想をしたり
・出産へのポジティブな姿勢を養う
こうしたことで、穏やかな分娩、心に残るいいお産にすることができます。
そして、いいお産=ゴールではなく、育児の最高のスタートにも繋がります。

いいお産に近づく方法「ヒプノバース」
いいお産をしたいけれど、どうすれば良いのかわからない。。。
という人もいるでしょう。
そんな人には、呼吸法や瞑想、出産へのポジティブな姿勢など、それらを身につける方法として、ヒプノバースという理論があります。
イギリスのキャサリン妃が出産の際に取り入れて話題になったので、聞いたことがある人もいるかもしれません。
「いいお産」のためには、様々なアプローチがあると思いますが、ヒプノバースの理論には、
・穏やかな分娩
・麻酔を使わずナチュラルに
・痛みを伴わず、やさしく穏やかに
こうした、いいお産のための方法、考え方が網羅されている、と私は思っています。

※ヒプノバースについて詳しくはこちら↓
まとめ
今回は、出産時の呼吸法やその目的に加えて、出産前の準備や本来あるべき出産、そしてヒプノバースについて。

まとめると、
・出産時の呼吸は「息を吐く」ことを意識する
・有名な呼吸法は2つ(ラマーズ法・ソフロロジー法)
・出産前から呼吸法を練習しておきましょう
・呼吸法に加えて、いろいろ学んで準備しましょう
・いろいろ学ぶ方法の一つとして「ヒプノバース」もオススメ
といった感じでしょうか。

あなたや、あなたの家族が「いいお産」を迎えられるよう心から願っております。