あなたは周囲の人たちと
良好な関係で過ごしていますか?
まあ、上手くやってるよ~
っていうあなたにも、
一人くらい苦手な人が
いるのではないでしょうか。
苦手になった理由はなんですか?
ただ何となく
ウマが合わないのでしょうか。
それとも、きっかけになる
事件がありましたか?
二度と会わない通りすがりの人なら、
それでも全然かまわないのです。
全人類と信頼しあい
理解し合うことは不可能です。
でも、その人があなたの人生の
何らかのパーツになっている存在なら、
やはりそのままでは
ストレスがかかるため、
修復する努力が必要です。
その人はあなたとどんな関係でしょうか。
口をきかない息子でしょうか。
職場の同僚のひとりでしょうか。
あるいは仕事のクライアント?
相手との関係を修復することで、
自分自身の欲求も尊重してもらえる方法を
今回はお伝えしたいと思います。
家庭や職場が、
居心地の良い空気で満たされていると、
確実に心身が健康になります。
それぞれが自由に
力を発揮できることから、
自然に生み出すものの
クオリティもアップするのです。
アサーションと呼ばれる、
爽やかに自分を表現するための
手法によって、We are OK!!
アサーティブネスな自分を手に入れましょう!
クレームが発生したとき
あなたは「クレーム対応」で
困った経験はありますか?
それは伝える側としての不満でしょうか。
あるいは受ける側としての失敗体験でしょうか。
信頼して購入した商品が
期待を裏切るものだった経験、
ありますよね。
頼んだものと違うものが届いた、
とかもそうですね。
そんな時、どんな反応をするかは
人によって違っています。
私たちは、下記の4つの立場を移動しながら
日々を送っています。
そして、一番居心地のよいところで
多くの時間を過ごします。
1. I am OK / You are not OK
この立場にいるとき、
私たちは相手を攻撃します。
電話窓口では、強い口調で
相手を打ち負かそうとしますし、
怒りをあらわにして
謝罪を強く求めます。
当然、嫌われます。
2. I am not OK / You are OK
この立場にいるとき、
私たちは事態に巻き込まれた
自分を責めます。
相手にクレームを伝えることは
出来ず、我慢して自分を貶めます。
そのうちいつか、爆発しそうです。
3. I am not OK / You are not OK
この立場にいるとき、
私たちは暗くて作為的になります。
決して相手を許せないと思いつつも
内に秘めて恨みをつのらせるのです。
匿名掲示板に悪口を流したり
隠れて仕返しを企んだりするパターンは
ここです。とってもしんどいです。
4. I am OK / You are OK
この立場にいるとき、
私たちはアサーションを使えます。
自分を主語にして
率直で爽やかに事実を伝え
相手の説明に耳を傾けます。
最も良い結果が導かれるのも
ここからの発信です。
なぜ、それぞれの立場で
考えることが心地よいのかは
多くは幼い頃の生育環境にあります。
自分が何かを養育者に要求した時に
どうすればそれが与えられるのか
親を納得させられるのかを、
小さかった私なりに必死で考えたのです。
この世界を生き抜くために。
その結果、上記1から3の立場の
いずれかで過ごすことを
決断することになります。
年齢が上がり成長するにつれて
自分で考える力を得ることが出来ても
無意識にその立場に戻ってしまうから
物事の受け止め方にタイプが生じます。
例えば私は、
このような学びに出会う前には、
上記2の立場にいることが多い人間でした。
活発で我の強い子どもだったので
両親から制限を受けることが多く
それを否定された、嫌われたと
感じていました。
我慢すれば良いものが与えられる、
欲求することは悪だと思い込みました。
こういう抑圧が強いケースでは、
上記の1の立場で好戦的になる
可能性も高かったのですが(^^;
私の場合、多動症的な特性の反面、
本を読んだり絵を描いたりするのも好きで
そこで多くの時間を使っていたことで
人を攻撃する場面から逃避していたようです。
そして、これは私の感覚なのですが
上記の4,アサーティブな立場を
決断できる幼児はいないと思っています。
どんな人も親という他者と対決する中で
自他への「not OK」を感じ取り
上記4以外の立場を
決断するのではないでしょうか。
その苦しさと向き合いながらも
沢山の良い感情に出会い、成長とともに
自分の理性でアサーションを選び取ってゆく。
だから、ふと気づくとまた
無意識に潜む古い記憶とともに
「not OK」が戻ってきたりします。
誤解を恐れずにあえて言うと
アサーションは、それを意識する
自分自身の理性が必要な
テクニックだと言えるでしょう。
伝える側がアサーティブだと
相手も同じようにリラックスして
正確なコミュニケーションの
やり取りが出来ます。
逆に上記の立場1から
攻撃してきたクレームのお客様に
アサーティブに対応したい
受け手であるときには、このように考えます。
① 相手は期待を裏切られガッカリしている。
あるいは心配し不安になっている。
困っている、辛い思いを抱えた人である
② その感情を
怒りに発展させてしまった状態では、
こちらの声を聞き取る力は損なわれている
③ 相手の感情をカームダウンさせるために、
まずは相手の気持ちに相補して受け止める。
→謝罪の言葉と連絡へのお礼は必須
④ 相手の言い分をしっかりと傾聴する
⑤ 感情がおさまるまで会話の主導権は相手に。
充分に鎮まったタイミングで切り出す。
「お話の途中ですが、わたしから2,3お伺いしてもよろしいでしょうか」
率直かつ丁寧に、相手の理性に対して話してゆく
⑥ 正確な情報を得て分析し、最も良い結論を出す
⑦ 双方が納得し、感謝をもって終える
家族への感情が高ぶりやすい理由
アサーションを身につけるための
トレーニングはいくつかありますが、
ゴードンモデル(親業訓練)では
「わたしメッセージ」で構文として学びます。
様々な場面での自己表現の方法を学びますが、
仕事上では出来そうだけど家族には難しい、
と感じる方もおられます。
わたしメッセージは、
自分を表現するだけで良いのです。
率直で誤解のない分かりやすさが
特徴です。
でも、
「なかなか上手くいかないです…」
との声をいただくことがあります。
どうしても相手を変えようとする
意図が含まれたものになりやすく
かえって相手を怒らせてしまったり
自分がキレてしまったりするのです。
アサーティブになれない理由の第一は、
関係性への甘えです。
なんで解ってくれないの?
夫婦なのに、親子なのに。
相手への要求や期待も大きくて強すぎて、
それを否定されると
自分自身も否定されたように感じる。
だから、何気ない言葉がとげを含んでしまうのです。
「でもねえ」
「だけどさ~」
「だーかーらぁ!」
大切なお客様には決して使わない言葉、
でも家族には気軽に使ってしまう。
他にもありませんか?考えてみましょう。
「まずは否定から入って来る」
夫婦関係がこじれているご相談で
多くの方が言われる言葉です。
もし、家族の行動が
自分の意に沿わないものであったら。
多くは自分の「こうしたい」
「こうあってほしい」という
欲求が損なわれています。
ここがアサーションの使いどころです。
ご飯だよって呼んでも
スマホに夢中な息子なら、
「話しかけても返事がないと、聞こえてないのかなって何度も言わなきゃならなくて面倒だなあ。それに、せっかく作ったご飯も無視されてるみたいでお母さん悲しいよ。」
↑ ↑ ↑
ちゃんと面倒くさそうに、悲しそうに!
非言語のメッセージも同時に伝えます。
自分の夫や妻であっても、
自分が産んだ子どもであっても、
自分とは別の人格を持った人間である。
そんな当たり前のことを
ついうっかり忘れていませんか。
彼らと永遠に一緒にいられるはずもなく、
この人生の一時期をともに過ごすという
深い深い縁につながれた、
大切な他者であることを意識できれば。
日常の感情の向け方にも
変化が起こるのかも知れません。
感情のコントロールのファーストチョイス
アサーティブな私は、
朗らかで健康的で心弾むように
はりきっているわけですので、
不機嫌や意地悪にも
まったく傷つくことがありません。
ところが、「not OK」が顔を出すと
途端にプシューっと音を立てて
幸福感が損なわれます。
怒りや悲しみで、理性的な自分を
手放しそうになるときが、
あなたにもあるでしょう。
感情って体で感じますよね。
怒りなら「怒り心頭」「怒髪天を衝く」「腸が煮えくり返る」
悲しみなら「胸が引き裂かれるような痛み」
他にもいろんな表現がありますが、
この体感はちゃんと生理的に説明が出来ます。
感情が身体に刺激を与えると、
強いストレスによって交感神経が興奮し、
体内にカテコールアミン(アドレナリンなど)
が放出されます。
「闘争か逃走か凍結反応」
と言われる状態です。
血液はディフェンスシステムに集中し
身体は酸欠状態になります。
強い感情の動きを感じたら、
その場でただちに呼吸を整えましょう。
鼻からの呼吸で大丈夫ですよ。
まずは吐いて。
吸いながら、ゆっくりと数を数えます。1-2-3-4
次に、吐きながら同じ速度で1-2-3-4-5-6-7-8
倍の時間をかけて吐きます。
3回くらい繰り返すと脳に酸素が戻ってきて
スッキリしてきます。
誰にも気づかれずに交感神経優位から
穏やかで落ち着いた状態に戻れます。
普段から、リラクゼーションの
トレーニングをされておくと良いですね。
落ち着いた自室で、
ゆったりと身体をやすめて、
自分の感情が呼吸で静まってゆく感覚を
感じてみてください。
音楽やアロマも有効です。
トレーニングすることで、
体が覚えたリラクゼーションの状態を、
この呼吸で即座に呼び起せるようになり、
ストレスフルな状況で
あなたを助けてくれるでしょう。
メンテナンス・アサーションと呼ばれる技法について、簡単にお話ししました。
対立したくないから
自分が我慢すればいい、
そんな風に感じる人は
日本人には多いようです。
I am not OK / You are OK の立場は、
敵は少ないし
人からは良い人だと思われてるし、
まあ社会的には都合の良い状況です。
でも、積み重なる自己矛盾が
常時自分を苦しめていて、
人生を楽しむことが出来ません。
そして、あなたを信頼している人を
裏切っていることにもなるのです。
周囲との関係を平和に保ち続けるために、
まずはあなた自身が幸福感を感じることを
選択して行動してみてくださいね。
アサーションの学びは、
人としての成長を
力強く後押ししてくれるはずです。
アサーティブネスを
本格的に学びたい方には、
ゴードンモデルのコミュニケーショントレーニング「自己実現のための人間関係講座」がおすすめです。
全国での開催予定は下記の親業訓練協会講座予定からご確認ください。
親業訓練協会(トマス・ゴードン博士のコミュニケーションプログラム)
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