朝、起きて着替える。朝ごはんを食べて、元気に学校に向かう。
そんな当たり前のことが出来なくなった我が子を見る切ない気持ち、苦しさ。
なぜ行けないのか、行かないのかがわからなくて、子どもを責めてしまうこともあるでしょう。
そして、動かせない自分への途方もない無力感が沸き起こるかもしれません。
あるコツを知っていると、簡単に不登校は解決できます。
不登校の原因は様々ですが、私は当人が人間として成長してゆく過程で得た課題であると考えます。
親はその課題を取り上げないで、彼らが自分自身で解決する力を発揮できるよう助けることが出来ます。
私自身が手に入れた、その方法について書いておきますね。
学校に行かない子への対処法
不登校は引きこもりではありません。
不登校がきっかけで二次的に引きこもりになる方が多いので、一緒に語られる場合もあるのですが、学校に行かないという行動には理由があり、エネルギーも失われていません。
学校生活という一日24時間のかなりのスペースを割く部分をオフすることで、彼らは成長しようとあがいているのです。
このとき、親が彼らの課題に巻き込まれて一緒に苦しんでいると解決が遅れます。
驚き戸惑う時期が過ぎたら、子どもが何かを掴もうとしていることを喜びをもって見守ることをお勧めします。
子どもを学校に行かせるのはなぜでしょうか。大きく掴むと二つになります。
① 基礎学力の習得
② 社会性の訓練
学力については、少なくとも今の日本においては後からでも十分に取り戻せる機会があります。
小学校6年間の学習は、中学生のレベルなら1年で取り戻せる量でしかありません。
また、仕事や子育てが落ち着いてから勉強を始めて、大学等へ進学する方も珍しくありません。
しかし社会性の獲得についてはどうでしょうか。
これは人と交わる以外の方法では身につきませんし、学校は人と協働して生きるひな型であることを思うと、年齢を重ねるほどに不利になります。
もし、不登校の始まりの時期に、親の感情的な言葉や腫れ物に触るような扱いを受け、家庭内でさえも自分の居場所がない状況におかれたら、子どもは成長の機会を失います。
学校に行かないのであれば、別のコミュニティが必要ですが、理由あって学校集団から離れた子が一歩踏み出すのには時間がかかります。
ここで、親がどう接するか。これが、不登校で成長出来る子と引きこもりになっていく子の分かれ道です。
子どもが成長するための親の接し方
① 沈黙
② あいづち
③ 話を聞きたいという意思を伝える
④ 子どもが抱えている思いを確認する
⑤ 子どもの内面に焦点をあてて気持ちをくむ
この中で、不登校になった子どもに一番必要なのは①の沈黙です。
無視するのではなく、自分の意見をぶつけるのをやめるのです。
多くの親はしゃべりすぎていますし、子どもたちは過干渉に辟易しています。
親が黙ると、子どもたちは口を開きます。
そうなったら、②のあいづちで話をしやすくしてやり、③でその話に興味を持っていることを伝えます。
④と⑤は、カウンセラーが行う傾聴のスキルですが、家族間でも使えますし、子どもの自立を最大限に促進する効果がありますのでぜひ試してみてください。
不登校の子供がもっとも必要としている言葉は?
講座にお見えになるお母さんたちは、どなたも子どもを深い愛情をもって育てておられます。
子どもたちもそれにこたえて、習い事や中学受験を頑張ってきたのです。
自分の本当の気持ちを確認することなく、準備されたカードを引く子どもたち。その心の奥には、自己矛盾が溜まってゆきます。
そして程なく彼らに訪れる無気力。ここから、様々な取引の心理ゲームが始まるのです。
非行も学業不振もスマホ依存も、おそらく根っこは同じです。
どんなに隙のない改善の計画を練っても、彼らの無気力が改善しない限り頓挫するでしょう。
馬を水飲み場に引っ張ってゆくことは出来る、しかし水を飲ませることは出来ないという故事にあるように、人を行動させるのはその人の意思のみです。
彼らが自分を助けるために行動を始めるには、まずは安心できる環境が必要です。
心理的に安全である場を作る方法は、無条件肯定のコミュニケーションを与え続けること。
幼い頃、子どもが病気の時にお薬を時間ごとに飲ませましたね。工夫して、苦労して。
それと同じ、処方薬だと思って与えてください。
「ただ存在してるだけでいいんだよ」
「あなたがいるだけでお母さんは幸せなの」
そんな言葉を心から伝えてください。
そして、傾聴は最高の無条件肯定を与える方法です。
共感し相手を理解しようとしていることがはっきりと伝わります。
心身の健康へのアプローチ
朝起きられない子は、起立性調節障害という自律神経の遺伝性疾患を持っていることがあります。
体質による体調不良は仕方のない部分ですので、その子に合った方法で学習と社会性の学びの場を与える必要があります。
発達障害のある子も、四角四面の学校生活の中で、定型発達の子には何でもない日常を苦しみと捉えている場合があります。
そんな彼らもまた、様々な環境要因で症状が重症化したり軽減したりするのですが、家庭内で安心基地が機能している場合にはストレスに耐える力が養われ、強く成長し自ら課題を乗り越えて行くことが期待できます。
個々にさまざまな理由がある不登校。
他の誰と比較することもなく、成長過渡期にある唯一無二の人間として、彼らが今心の奥に抱えている思いを尊重することが出来れば、必ずこの課題を自分で解決する力が沸きだしてきます。
親は解決策を与えようとしないことと、丁寧に聞ききる力を発揮することが大切です。
影響力のある親になるためのトレーニングに関心がある方はこちらもご覧ください。
↓ ↓ ↓
https://tuki-commu.com/pa_guidance/
■親業訓練協会(トマス・ゴードン博士のコミュニケーションプログラム)
■公益社団法人京都府助産師会(助産師が提供する女性の全ステージへのアプローチ)