◆自分をビジネスマンと言う女性◆
わたしは助産師です、というと
色んな先入観をもたれます。
一つは、母性偏重のおせっかい焼き。
一つは、医療否定のナチュラリスト。
まあ、そこに理想の一部があることは
否定できませんが…
助産師は自らが女性であると同時に
命をかけるほど仕事を愛している、
そんな人が多い気がします。
だから
仕事も独身時代と同じレベルでこなしたい。
昇進や年収アップという形での評価が
自己実現になっているママの気持ち、
わたしはよく理解することが出来ます。
そして当然、子どもも大切にしたい。
元気にすくすくと育ち、いつも笑顔で
心も体も健康でいてほしい。
両方を手に入れるために、
何倍もの努力をして、ついには燃え尽きた人を
何人も見てきました。
わたしもその一人でした。
どんなにきつくても堪えても
自分一人なら頑張れるかも知れないけど
子どもが病んだら、当然のように
仕事は出来なくなるのです。
男性と同じレベルで仕事をしている女性が
自分のことをビジネスマンと呼ぶのは
理解できます。
看護婦も看護師になりましたし、
ジェンダーで呼び方を変えるのは時代錯誤です。
でも、家庭においては女性としての
特別な力を発揮してほしい。
生物学的には産む性であり、
内側から心と体を守る力を持つ人です。
◆子どもを産む性に与えられるもの◆
愛着形成を考えたとき、
産前産後のホルモンの変動の最も激しい時期に
丁寧に大切に扱われる経験をして頂きたいです。
哺乳類にとって授乳とは
単なる栄養補給だけではなく
遺伝子レベルで愛着を伝え合う
ものであることが分かってきました。
また、吸啜刺激によって、脳の下垂体から
分泌されるプロラクチンとオキシトシンが
母性行動の中枢を強く刺激して
愛着行動を増すことも分かっています。
イデオロギーとしての母性愛の押しつけには
わたしは完全に反対します。
3歳児神話なんてその最たるものでした。
でも、国をあげて子どもを育てるのは
親ではなく保育園にいる専門家で…という
昨今の流れには危機感を抱いています。
母親となる女性も、育てる子どもも、
家庭環境も、それぞれが
全く違った個性、特性を持っています。
オリジナルの到達目標があり、
達成のための方策もそれぞれ違うのです。
複数の子どもを一度に扱いながら
ひとりひとりの欲求に確実に応答すること。
いかに有能な保育士でも無理な話です。
では、どこで子どもは心を満たすのでしょう。
親が仕事を持つことは良いことですが
あまりに忙しく、あるいはあまりに楽しくて
「子育てどころじゃない」と感じるなら
子どもにとって家庭は安全基地ではなくなります。
量より質ですよ、とわたしも良く言われましたが
「質」とは一体どのような関係性を言うのか?
それが分からないまま模索していました。
長くなりました(^^;
次回、わたしが学んだ「質」について
聞いて頂きたいです。
もちろん、イデオロギーではありません。
あなたは
3歳児神話についてどう思いますか?
3歳児が0歳児だったら?
あるいは中学生だったら?
たぶん、親と子と環境の組み合わせで
この神話は無数の物語を生み出す気がします^^
今日、お読みくださったあなたが
穏やかで豊かな時間を過ごせますように。
お仕事頑張って下さいね^^
家族関係回復コーチ 中川淑子